−−どうした? 署にもどるぞ。
吉井に言われて、大下は、もたれかかっていた金網からひょいと体を起こした。
現場検証もあらかた終わり、後は報告書を上げるだけ。
真っ先に駆けつけた相棒は、銀星会絡みではないとわかった途端、後始末を大下になすりつけさっさと姿をくらましていた。
チームを気取る少年たちと、それに眉を顰めるサラリーマンの単純な諍いだった。
引っ込みがつかなくなった少年の一人が、カッコつけで持っていたナイフを振り回し、偶然それがヒット。青くなった仲間は、少年一人を残して散り散りに逃げた。そして、署に入ったタレコミの電話。
−−…ったく、自首するくらいなら、逃げるなっつーの。
−−おいおい…。
吉井が苦笑する。
−−ああいうやつらのことは、お前が一番わかるんじゃないのか?
わかりたかねぇよ。
父親の顔になった吉井に敬意を表して、大下はそっと嘯いた。
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