眠らない街

時折、ヤツはああやって遠い目をする。
らしくもなく微笑んで。
よく動く口とよく動く目と、
そんなものをどこかに置き去りにしてしまったかのように。
ヤツにしては珍しく、ラークを吸う姿が様になっていて…。

たいてい、そういうときなんだな。
ほら、見ろ。
ああやって、ガキがまた一人、
まるでノラが鼻を擦りつけるみたいに、
身をすり寄せる。

おい、勇次、
無造作に壁によりかかったその背中が、
一番ヤバイんだぜ。
わかってんのかよ。

photo by 雨音さん




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